大判例

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福井地方裁判所 昭和60年(ヨ)40号

債権者

稗田貴美子

右代理人弁護士

八十島幹二

吉川嘉和

吉村悟

債務者

社会福祉法人福井県福祉事業団

右代表者理事

中川平太夫

右代理人弁護士

金井和夫

主文

一  本件申請を却下する。

二  申請費用は債権者の負担とする。

理由

一  本件申請の趣旨及び理由は、債権者提出の仮処分命令申請書及び意見書と題する書面に記載のとおりであり、これに対する答弁は債務者提出の答弁書記載のとおりである。

二  ところで、本件申請は、債権者が債務者に対し、自ら提出した退職届につき、錯誤があったなどとしてその退職の無効を前提とするものであることが、その主張自体から明らかであるところ、これを前提とするかぎり、債権者が本件仮払いを求める必要性があるとしてるる主張する事情は、いずれも債権者が退職願を提出する時から容易に予見しえた事情というべきものであるうえ、疎明資料によれば退職願の提出時に債権者が希望していた状況が実現しているものとさえ一応認められ、他に債権者の予期しえないような困窮状態が生じていると認めるに足る疎明はない。

そうすると、本件申請は、その必要性のないことが明らかというべきであるから、その余の点につき判断するまでもなく理由がない。

三  よって、本件申請は、これを却下することとし、申請費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり決定する。

(裁判官 石井忠雄)

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